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2011/12/24(土) 23:40:44.90 ID:MsIdTHw00
「当たりかい?」
その一言で、黒子は戦慄した。
やはり読心能力者なのだろうか。
だが、ならばなぜ今このタイミングでそれをアピールする様な行為をするのか。
黒子の頭が高速回転する中、トレインは余裕の笑みを崩さない。
「あんまり俺を甘く見ない方がいいぜ。もうタイミングも分かったからな、同じ手は通じねぇ」
「……っ」
黒子は息を呑む。
そして、こんなにも眼前の男の能力に、自身の注意が向き過ぎていた理由を悟った。
全ては事実から、目を逸らした結果。
つまり、この男は黒子が信じられないほどの身体能力と反応速度で以って、漫画の登場人物の如く気配だけで空間移動に対応していたのだ。
黒子の自身の能力に対する自負が、こんな単純な事実から目を曇らせた。
「俺としちゃこれで諦めてくれるとありがてーんだけどな」
自虐的に笑う黒子の様子を見て、トレインが言う。
だが、その口調には一つの確信が見え隠れしていた。
黒子が、まだ諦めはしないだろうという確信が。
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