46:1[sage]
2011/10/22(土) 05:57:23.10 ID:R0SN1dWm0
「皆さん、落ち着いて聞いて下さい。たった今、この建物内で重力子が観測されました」
その言葉の意味を悟った涙子と美琴の表情が驚きに染まった。
「……さっき言ってたヤツか。どこにあるかは分からないのか?」
そんな中で、トレインだけが冷静な口調で状況を確認する
その随分と場慣れした様な落ち着き方に、美琴は一瞬だけトレインに視線を向け、すぐに逸らした。
「それは……分かりません。ですが、爆発まではまだ若干の猶予があるはずです。ですから、今すぐこのビルにいる人達を避難させます」
通路を駆け回る子供達。
洋服選びに余念の無い女性達。
何も知らない一般客の姿に視線を巡らせながら、やや音量を絞った声で初春は話を進める。
「避難って……どうやって? どれだけいるかも分からないんだよ?」
「そ、それは……」
だが、涙子の指摘に初春の表情が一気に翳る。
手分けをしたとしても全ての客に声をかけ、事情を説明して避難させていたのでは時間がかかり過ぎるし、かといって店内放送で爆弾の事を伝えては一気にパニックが起こる恐れがあった。
迅速に、それでいて冷静に。
理想的な誘導を行うには、時間も人手も足りないのは明らかだった。
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