過去ログ - アイリス「さよなら、ジャンポール」
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13:ny[saga]
2011/10/19(水) 21:09:57.54 ID:oNEfTHUU0
「な、何をしたんだ。アイリス……」

大神が言うと、アイリスは不機嫌そうに頭のピンクのリボンを解き、吐き捨てるが如く言った。

「アイリスぅっ?
俺はアイリスじゃねえよ。今度間違えたらマジで殺すぜ、大神」

声色が微妙にアイリスと違っていた。口調は全然違っていた。
もう、分かった。
こいつは、アイリスでは、ない。
奴は続けた。

「いいか? よく憶えとけよ。
俺の名前はポルナレフだ。ポ・ル・ナ・レ・フ。
分かったか? てめぇらの取るに足らないちっこい脳味噌によぉく叩き込んどけ」

「ポルナレフ……だと?」

大神が呟くと、きっとアイリス、いや、ポルナレフが大神を睨んだ。
途端、鈍器で殴られたような衝撃が大神の頭部を襲った。
気絶しそうなほどの衝撃。
一瞬、大神の意識は遠退いたが、どうにか立て直す。

「隊長さんよぉ、態度がなっちゃいねえなぁ。
俺には敬語を使え。使わなきゃ殺す。ソッコー殺す。
分かったな? 分かったら返事だ」

ぎゃはははは、とポルナレフは下品に嗤う。アイリスの身体で嗤う。
許せない侮辱だった。
今、アイリスが汚されているのだ。
大神の体中に怒りの閃光が奔る。
赦せない。
赦すわけにはならない。これだけは、何としても。
だから、思わず叫んだ。

「貴様は一体何なんだっ! 何だか知らないがっ!
それ以上アイリスを汚すと、絶対に貴様を許さないぞっ!」

虫を見るような表情を浮かべて、ポルナレフは大神を見下した。

「分かってないようだな、隊長さんよぉ。
アイリスに化けたさっきの奇襲が失敗したから、
今回だけは見逃してやろうかと思ったが、そんな態度じゃ命はいらねぇようだなぁ?
ああっ?
どちらにしろ、貧弱なアイリスの奴をこっちに留めてんのは、
てめえの存在がでかいようだから、いつかは殺すんだけどなあっ!」

下卑た声で叫び、アイリスの身体を支配しているポルナレフが、大神に右手を向けた。
空間が歪み、感じた事もない霊力の波動が場を支配する。
だが、大神にはどうしようもないのだ。情けないまでに。

「じゃあな、隊長さん」

ポルナレフは小さく微笑みながら呟いた。

「大神さんっ!」

叫んださくらの声が妙に耳に響いた。
これで自分は死ぬのか。
アイリスに何が起こったのかも分からず死ぬのか。
絶対にアイリスを守ると誓ったのに、それを果たせずに死んでいくのか。
そう思うと、大神は情けなくて涙が出そうになった。
間もなく衝撃が来る。絶対的な霊力で自分は砕かれる。物言わぬ肉塊に変わる。
死の恐怖が襲い掛かり、大神は反射的に眼を閉じた。


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