過去ログ - アイリス「さよなら、ジャンポール」
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36:ny[saga]
2011/10/21(金) 19:24:11.85 ID:sT9PuPCN0
「『アイリス』っ! 聞こえていたら返事をしてくれっ!
俺が傍に居る! 俺は……、此処に居る!
だからっ! だからっ!
聞こえていたら返事をしてくれっ!
何も恐くないからっ! 俺が居るのだからっ!」
返事はない。
『ポルナレフ』が大神に掌を向ける。サイコキネシスの準備だろう。
「俺達はまだ何もやっていないだろうっ!
これからなんだっ! これからっ、俺達はっ!
俺達は生きていくんだっ! 楽しくっ!」
返事はない。
花組も声を上げる。届いていないかもしれない。もう聞こえないのかもしれない。
それでも、仲間を信じていたかった。
「故郷をまた案内してくれるんでしょうっ? 楽しみにしてますっ! だからっ!」
「幾度もの戦いを切り抜けた貴方がそれでどうします! これ以上恥をさらす前にっ!」
「また別れるなんて厭や! 花組は不滅や! せやから、せやからっ!」
「今度、本格的に稽古つけてやるって言ったじゃないか!
あれだけ楽しみにしてただろうっ? 大サービスだ! 奥義付きで稽古してやるっ!
だからっ!」
「『アイリス』っ! あの子も待ってるっ! キミはボクを救ってくれた!
だから、今度はボクがキミを呼ぶ! あの子とキミを待つ! だから早くっ!」
「情けないでーすっ! 返事をしないとまたからかいますっ! だからっ!」
全員の言葉が響く。
そして、大きな波紋となって重なる。
「返事をしてくれ! 『アイリス』っ!」
だのに、返事はない。
「だからっ! もう遅いんだよっ! 大神いっ!」
激昂して『ポルナレフ』が途轍もない霊力を集中させていく。
大神の霊力など相手にならない。
それほどの霊力が『ポルナレフ』に集まっていた。
言葉は届かなかったのか……?
傍に居てやると約束したのに、果たせないまま終わってしまうのか……?
死は恐くなかった。それだけが大神は無念だった。
「じゃあなっ! 隊長っ!」
『ポルナレフ』の声が響き、大神の身体が横凪に吹き飛ばされた。
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