過去ログ - アイリス「さよなら、ジャンポール」
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47:ny[saga]
2011/10/24(月) 21:23:44.24 ID:Ie10TeSW0
○
『ポルナレフ』が統合され、次に現れたのは『アイリス』だった。
泣いていた。
敵対していた『ポルナレフ』だったが、そんな敵との別れにも涙を見せる。
『アイリス』はそんな少女なのだった。
大神はアイリスの頭に手を置き、落ち着かせるように撫でた。
突然に脳内に言葉が響いた。
『次は僕の番だね』
驚いて視線をやると、ジャンポールが浮いていた。
憑依したのだろう。
「ジャンポールっ?」
『アイリス』、いや、アイリスがジャンポールを驚いた表情で見つめた。
『『ポルナレフ』が統合されて、『イリス』も消えた。
僕が此処にいる意味はないからね』
「いやっ!
ずっとおともだちだったのに、これからはおはなしもできるとおもったのに、
もうおわかれだなんて……、そんなのいやっ!」
ジャンポールはぬいぐるみなのだが、
大神には何故かとても彼が哀しそうに見えた。
『大丈夫だよ、アイリス。
ジャンポールはただのぬいぐるみに戻るけれど、『僕』はずっと君の中で生きる。
だから、お別れじゃないよ。これはお別れじゃないんだ』
「でも……。でも……っ!」
泣きながらジャンポールを掴もうと、アイリスが手を伸ばす。
大神はその手を掴んで、かぶりを振った。
「駄目だ、アイリス。彼の気持ちも考えるんだ……!」
「だけど、だけど、お兄ちゃん……!
アイリスさみしい、さみしいよおっ!」
『泣かないで。泣かないでアイリス。
ほら、僕と君が初めて出会った時の事を思い出してごらん?』
「はじめてあったとき………?」
床に下りて、ジャンポールが続ける。
『僕が生まれたとき、君はくまのぬいぐるみと二人でいた。
一人ぼっちで寂しそうにしていた。
友達が欲しい、友達が欲しいって心の中で泣いていたよ。
だけど、僕はただの別人格。どうしようもなかった。
僕は願ったんだ。君を助けてあげたいって』
「うん……。うん……」
涙を流しながら、アイリスが頷く。昔を思い返しているのだろう。
大神が知る事のない二人の過去だ。
少しだけ、妬けた。
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