過去ログ - アイリス「さよなら、ジャンポール」
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48:ny[saga]
2011/10/24(月) 21:24:41.88 ID:Ie10TeSW0
『そうしたらさ、僕は気がついたらくまのぬいぐるみの中にいた。
君がそうしたのか、僕の力だったのか、
とにかく僕は熊のぬいぐるみ……、ジャンポールとして君の友達になろうって思ったんだ。
そうする事が君のためだと思ったんだ。
流石に自由に動くわけにはいかなかったけど、君が眠っているときとか、語りかけていたんだよ……』

「だったら、ずっといっしょにいようよぉ……。
ジャンポール……」

『それは出来ないよ。僕達は一つに戻るべきなんだ。
特に君の場合はそう。
霊力が高過ぎるから、不自然に人格が分かれていては危険なんだ。
『イリス』が消滅してしまったように、君もそうなる可能性があるからね。
それに……』

「それに……?」

『君には恋人が居る。親友が居る。仲間が居る。
だから、僕が居なくてもきっと大丈夫。
恋人が童女趣味なのが気になるけどね』

「童女趣味……って……」

『あははっ、冗談だよ。大神さん。
アイリスをこれからもお願い出来る?』

「当然さ」

満足そうにジャンポールは、大神に向けて手を伸ばした。
その小さな手を、大神は強く握り締めた。

「ジャンポールぅ……」

『君なら大丈夫だよ。
でも、時々は思い出して欲しい。
この何気ない熊のぬいぐるみを見た時にさ、
ああ、こんな奴が居たなって、そう思い出してもらえたらそれだけで十分さ。
それだけで僕の生まれた理由があるんだって思えるよ』

「うん……。うん……!」

アイリスも分かったようだった。
哀しそうだったが、哀しいけど同時に嬉しい別れもある。
そういう別れがある事を、大神は彼女に気付いて欲しかった。
だが、急に不安になって、大神が訊ねた。


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