過去ログ - 女騎士「姫の自慰を目撃してしまった」
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52:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:15:37.99 ID:aYv84ioOo
7.

語るべきことは殆どもう残ってはいない。

私は城内に戻り、自分の部屋で水を一杯だけ飲むと、ベッドに倒れ伏してそのまま泥のように眠った。

数時間の睡眠を取り、その後目を覚ますと、私はがんがん痛む頭に耐えつつ荷物を纏めてから、
最後に上司宛の手紙を書くために筆を取った。

そして、上司の厚意に対する感謝、それを返上する謝意、及び私の頼み事を便箋にしたため、
自分の机の上に置いた。

廊下に出て扉を閉めようとした私は、今まで暮らしてきた部屋を見た。
部屋は、初めてやって来た時のように、がらんとしていた。
机の上に二つ手紙があること以外、あの日見たのと、一つとして変わらない光景。

私は扉からそっと手を離した。
私の“今まで”は、ゆっくり、ゆっくりと見えなくなっていき、今際(いまわ)の際に一瞬きらめくと、
鈍い金属音とともに、現実がそれを永久に過去に閉じこめた。
二度と、私がこの部屋に入ることはない。


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