29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/10/22(土) 00:54:10.75 ID:9yuxyDT00
5人は途中の階段を上がり、2階へ行くことにした。
消火栓の赤色灯の下、階段横を通り過ぎる際に窓ガラスに映った彼女達の顔は真っ赤に染まり、いよいよ気味が悪い。
階段を踏み外さぬよう、ゆっくりと登っていく。
途中、ギシ…ギシ…と木張りの床が軋む音が響いた。
階段を登り終えた刹那、流れる空気が先ほどまでと変わった。
冷たく、重い空気…
(ギシ…ギシ…)
間違いない。“アイツ”がいる。
“アイツ”は律が校舎内にいることは察知したものの、まだ位置までは把握できていないようである。
足音が、ゆっくりと廊下に響いていた。
5人は息を殺して、壁に張り付いた。
律は“アイツ”の姿を確認しようと、壁越しにそっと廊下を覗き見た。
……
ドクン…!
心臓が大きく波打った。
視界にはギョロリと見開かれた、濁った眼。
“アイツ”も律と同様、廊下側から壁越しにこちらを覗いていた。
鼻息がかかるほどの距離である。
生暖かい腐臭が鼻の奥に入り込む…
一気に血の気が引いた。
思考よりも早く肉体が動いた。
5人は一斉にその場から駆け出し、律と澪は3階へと階段を駆け上り、唯・紬・梓の3人は1階へと駆け降りた。
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