過去ログ - マインドスイーパー
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161:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/29(土) 01:18:18.15 ID:veqilnkN0
大河内は咳払いをして、周りを見回した。

「……こちらが、先ほど説明した高畑医師と、マインドスイーパーです。特A級の能力者です。私が、個人的な要望でお呼びしました」

不穏な視線を向けている周囲の威圧感に、汀が肩をすぼめる。
車椅子に乗せられたケージの中から、小白がニャーと鳴いた。

「それでは、本日のダイブについて説明を開始します。難しい施術になると思われます。各マインドスイーパー、オペレーターは特に注意して聞いてください」

大河内はそう言って、赤ん坊の写真が映し出された正面のスクリーンを、指し棒で示した。

「事前に説明したとおり、ダイブ対象者は、高橋有紀。生後一ヶ月の赤ん坊です。現在、比較的経度な自殺病第二段階を発症しています。自覚症状などはありませんが、年齢を考え、即急なダイブと事前治療が必要であると判断しました」

そして彼は、下のほうに映されている、ナンバーXの写真を指した。

「赤ん坊なので、心理壁の構築もありません。トラウマの発生もないと考えられます。しかし、今回のダイブには、ほぼ確実に外部からのハッキングがあると考えられます」

小白がまたニャーと鳴く。
眉をひそめた周囲に構わず、彼は続けた。

「現在警察も身柄を拘束しようと捜索をしていますが、この男による精神攻撃の可能性が高い。皆さんには、可能な限り迅速に、患者の治療を行い、この男のハッキングを我々が阻止している間、退避していただきたい」

「大河内先生。その男は何者なんだね?」

そこで、座っていた壮年男性が口を開いた。

「先日、うちのマインドスイーパーが五人もやられている。それに今回の、この数のスイーパーだ。ただ事ではなかろう」

「ええ、ただ事ではありません」

大河内はそう答えて、ナンバーXの顔写真を指した。

「明確な正体はまだ分かっていません。サイバーテロリストの一派である可能性が高いと思われます」

「それだけの情報で、気をつけろといわれてもな……」

「こちらとしても提供できる情報があまりに少なく、対応が出来ない状態が続いています。しかし、今回のこのダイブは成功させたい」

彼は、息をついてから言った。

「こちらも、出来うる限りの対策と援助をします。では、詳しい内容に入っていきましょう」


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