171:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/29(土) 01:29:00.20 ID:veqilnkN0
汀はそれより一瞬早く地面を転がり避けると、男の子に駆け寄り、殴りつけた。
彼はそれを軽くいなして、銃口を汀の頭に向けようとする。
何度か、その応酬が繰り広げられ、今度は汀が男の子の頭を殴りつけ、後ろ蹴りを彼の腹に叩き込んだ。
地面に叩きつけられた少年は、しかし笑いながら、弾倉を回して銃の引き金を引いた。
「四発」
パンッ! と音がして汀の頬を銃弾が掠める。
すかさず汀は男の子に馬乗りになり、腕を振り上げた。
「あれ……?」
そこで男の子は口を開いた。
「なぎさちゃん?」
呼びかけられ、振り下ろしかけていた汀の手が止まった。
男の子はその隙を見逃さず、逆に汀の体を抑えると、彼女を引き倒し、馬乗りになった。
そして弾倉を回し、彼女の眉間に銃を突きつける。
「こんなところで会えたなんてびっくりだけど、さよならだね。残念だよ」
汀が必死に動こうとしているのを、血涙を流しながら見下ろし、彼は裂けそうなほど口を開いて笑った。
「アディオス。また会おうね、なぎさちゃん」
カチッ。
撃鉄が虚しく虚空を叩く音が響いた。
「あれ?」
男の子はそう言って、ポカンとした。
「運がいいね……失敗か……」
そこで汀の手が動いた。
彼女は一瞬で男の子の銃を指で叩き、回転させると、今度は自分の指にはめた。
親指で弾倉を回転させ、そして引き金を引く。
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