170:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/29(土) 01:28:14.32 ID:veqilnkN0
「赤十字も、ピンポイントで僕が、『偶然』選ばれた患者の中に隠れてたなんて、思ってもみなかっただろうね」
「ナンバーX? あの人……!」
理緒が悲鳴のような声を上げる。
「端役がうるさいよ」
パンッ、と音がした。
汀の隣で、理緒がもんどりうって地面を転がる。
いつの間にか、どこから取り出したのか、男の子は拳銃を握っていた。
その弾倉を回転させて止め、彼はニヤリと笑った。
「銃……? どうして……」
汀が呟く。
肩を撃たれたのか、理緒がうめきながら、立ち上がろうとしてまた、地面に崩れ落ちる。
彼女は、それでも中核を離そうとしなかった。
「あと五発」
もう一回弾倉を回してから、少年は走り出した。
「楽しもうじゃないか! 赤十字!」
飛び掛ってきた小白の頭を掴んで、くるりと曲芸師のように飛び越え、彼は一瞬で汀に肉薄した。
そこでハッとした汀が手を伸ばし、彼の銃を持った手を横に払う。
「一発」
パンッ! と弾丸が明後日の方向に発射された。
彼は体を回して、汀の腹に蹴りを叩き込んだ。
小さく悲鳴をあげ、汀が地面に転がる。
弾倉を回し、彼は地面に倒れた汀の頭に向けて銃の引き金を引いた。
「二発、三発」
パンッ、パンッ!
連続して銃声が聞こえる。
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