49:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 01:08:55.93 ID:CGXDMCHp0
その背中をさすって、大河内がおろおろと圭介を見る。
「す……すまない。少しくらいならいいかと思ったんだが……」
「全く……人の話を聞かないから」
呆れた声で圭介は資料を脇に挟み、汀の吐瀉物が入った洗面器を受け取った。
「とりあえず、大河内も少し汀を休ませてやってくれ。俺は診察室にいるから」
バタン、と音を立ててドアが閉まる。
少し沈黙した後、汀はため息をついた。
「……圭介、怒ってる」
そう呟いた彼女に、大河内は口元をタオルで拭いてやりながら首を振った。
「疲れてるのさ。汀ちゃんも、そういう時があるだろう?」
「違うの。私には分かるの」
汀はそう言って、Wiiのリモコンを握り締めた。
「私が、役に立たないから……」
大河内が、発しかけていた言葉を飲み込む。
そこで汀は、突然右手で頭を押さえた。
強烈な耳鳴りとともに、彼女の視界が暗転する。
体を丸めた汀を、慌てて大河内が抱きとめた。
「汀ちゃん!」
汀の視界に、先ほどダイブした男性の、脳内風景が蘇る。
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