68:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 01:31:13.91 ID:CGXDMCHp0
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「三島寛治。六十九歳。高速道路で、車から転落。その後、病院に運ばれるも、家族に宗教上の理由で輸血を拒否され、十分な治療が出来ずに体に麻痺が残る。後にアルツハイマー型痴呆症の悪化と自殺病を併発……か」
大河内は資料を読み上げ、それを圭介に放った。
「もっと早くこの資料を見つけてれば、ダイブは初期段階で成功してたんじゃないか?」
「それを汀に見せたのは、ただ単なる気まぐれだよ。規定概念がダイブに影響すると、余計な状況を招く恐れがあるからな」
「それにしても……やはり、見せるべきだったと俺は思う。七回もダイブする必要はなかったんだ」
汀の部屋で、大河内は立ったまま、すぅすぅと寝息を立てている彼女を見下ろした。
「ここまで負担をかけることもなかった」
「負担? 何を言ってるんだ」
圭介はピンクパンサーのコップに入れた麦茶を飲んで、続けた。
「仕事だよ」
「お前……」
大河内が顔をしかめて言う。
「口が過ぎる」
「そういう性格なんだ。知ってるだろ?」
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