69:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 01:32:05.20 ID:CGXDMCHp0
「汀ちゃんにこれ以上負担をかける治療を行っていくっていうのなら、元老院にかけあってもいいんだぞ」
「脅しか?」
「ああ」
「…………」
少し沈黙してから、圭介は息をついた。
「やるんならやれよ。前みたいな失敗を、繰り返したいんならな」
「…………っ」
言葉を飲み込んだ大河内に、圭介は薄ら笑いを浮かべて言った。
「結果が全てだろ。所詮。元老院だって分かってるはずだ。今回のダイブだって、アメリカの症例二件を含めなければ、日本人で初のアルツハイマー型痴呆症患者の治療成功例として登録されたんだ。褒められはすれど、怒られるいわれはないね」
「人道的な問題というものがある」
「人道的……ね」
圭介はFAXの方に近づいて、資料を手に取った。
「じゃあ、最初からやらなければ良かったと、お前はそう言うのか?」
「ああ、そうだ」
「助けなければ良かったというのか?」
「助ける? お前、自分が何を言っているか分かってるのか?」
大河内が声を荒げた。
「自殺病を治しただけで、アルツハイマーは治っていない。それが、患者の幸福に繋がっているとでも言いたいのか!」
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