8:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:00:30.39 ID:CGXDMCHp0
マネキンの手が動き、汀の首を掴んだ。
それがじわりじわりと、彼女の細い首を締め付けていく。
汀は、苦しそうに咳をしながら、ひときわ強く眼窟の中に指を突きいれた。
『ウッ』
部屋の中に、男性の苦悶の声が響き渡った。
マネキンの手がだらりと下がり、糸が切れたマリオネットのように、足を広げ、壁にもたれかかる。
汀は拳を振り上げると、眼球がつぶれたマネキンの顔面に、何度も叩きこんだ。
血液が飛び散り、その度にビクンビクンと、魚のようにマネキンが震える。
やがて汀の病院服が、転々と返り血で染まり始めてきた頃、彼女は荒く息をつきながら、動かなくなったマネキンを見下ろした。
ダラダラと、原形をとどめていない顔面から血液が流れ出し、白い床に広がっていく。
そして彼女は耳元のイヤホンのスイッチを入れ、一言、言った。
「治療完了。目を覚ますよ」
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