96:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:07:07.53 ID:CGXDMCHp0
無限回廊のように立ち並ぶ椰子の木に、次々と炎がついていく。
次いで、空に浮かんでいた太陽が、ものすごい勢いで沈み、あたりが暗くなった。
空に、赤い光がともる。
しかしそれは太陽の光ではない。
何かが燃えている。
灼熱の、光を発する何かが炎を上げて、空の中心で燃えていた。
熱い。
暑い、のではない。
体をジリジリと焦がすほどに、周囲の気温が上がりはじめた。
次いで、爽やかな色を発していた海が、途端にヘドロのような色に変わり、ボコボコと沸騰し始める。
夏のビーチは、あっという間に地獄のような風景に変わってしまっていた。
汀は、体を焦がす熱気に耐え切れず、小白を抱いたまま、しゃがみこんで息をついた。
「やだ……やだよ……」
首を振る。
「圭介! 助けて、圭介!」
顔を上げた汀の目に、たいまつを持った人影が見えた。
熱気で揺らめくビーチの向こう、二十メートルほど離れた先に、たいまつを持った男……何故か、ドクロのマスクを被った男が、反対の手に薄汚れたチェーンソーを持って、それを引きずりながら、近づいてくる。
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