過去ログ - 唯「だいはーど!」マクレーン「ケイオン?」
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63:唯「だいはーど!」マクレーン「ケイオン?」 [sage saga]
2011/11/05(土) 23:58:10.38 ID:lOd/TyK/0
  
紬「んんんんんんんん!」ググッ

澪「お、おい、ムギ! 危ないからやめろって!」

親友の声を無視する。優しく、人を思いやる性格の紬が、初めてする行為。
だが同時に、親友の命を助ける、という行為も初めての事だった。

紬「うううううううう!!」グググッ

律「ムギ!よせ!」

ドアは何の変化も見せない。
そういえば、みんなと一緒に観た洋画では、蹴るだけで簡単に鍵の掛かったドアが破られていたなぁ。
そんなくだらない思考が脳裏に去来し、すぐに消えた。
紬は両手だけではなく、額もドアに押しつけた。

紬「りっぢゃんががんばっだんだもの……! わだじだっで……!」ググググッ

律「ム、ムギ……」

白目が充血し、ウサギのように赤く染まっていく。
ドアに強く押しつけた額からも、歯を食いしばった口の端からも、鼻孔からまでも、数条の血が
細く流れていく。

紬「ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙!!!!」メキッ メキメキッ

澪「!?」

それは、ほんの僅かな変化。
少しの音すらも立てていなかったドアが、微かにメキメキと鈍い音を立て始めた。
続いて、ドアの端がミリ単位で歪み始める。少しずつ直線ではなくなっていく。

律「澪、私達も手伝うぞ!」

澪「あ、ああ!」

律と澪も、紬の両隣でドアを押す。精一杯の力で。
三人の声と少しずつ生じ始めたドアの歪みが、何が起きているのかを室内の和に伝えていた。
そして、何をすれば良いのかも。

和「何か棒のような物は無い!? 私達も内側から開けるのよ!」

社員「よ、よし、わかった!」

力のある男性社員が何名か、少しの隙間に手をかけたり、パイプ椅子の脚をテコに使ったりして、
内側からドアを引っ張る。
和もドアノブを強く引き続けている。
一人の女性の覚悟を引き金に、皆が一丸となっていた。

紬「あう……」ドサッ

律「ムギ!」

不意に、何の前触れも無く、紬が倒れた。だが、それと同時にバキンと金属的な音を立てて、
ドアが内側へ開かれた。

澪「開いた!」

社員「やった! 開いたぞ!」

社員「良かった! 助かったんだ!」


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