過去ログ - 唯「だいはーど!」マクレーン「ケイオン?」
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64:唯「だいはーど!」マクレーン「ケイオン?」 [sage saga]
2011/11/06(日) 00:01:28.71 ID:CywMbHuf0
 
大会議室には二、三十人の社員がいた。ある者は歓声を上げ、ある者は涙を流し、救助の喜びに
身を浸らせている。
しかし、律と澪、和は喜びとは程遠い表情で、倒れた紬を囲んでいた。

律「ムギ! しっかりしろ! ムギ!」

和「ドアは開いたわ! あなたのおかげよ!」

紬「うぅ…… 良かった……」ニコッ

澪「ムギ……」

律は紬を抱き起こし、澪はその手を握り、和は鼻や口、額から流れる血を拭いている。
そんな彼女らの気遣いも、人質救出の成功も、今の紬の頭には入ってこない。
紬は握られた手に力を入れると、澪の瞳を見つめ返した。

紬「早く…… 和ちゃんを…… 時間が……」

澪はその言葉に力強く頷くと、律に言った。

澪「律、お前はムギを頼む。私は和ともう一度、ブリッジに行くよ」

律「ああ、まかせたぜ」

澪「和、私と一緒に来てくれないか。敵がいじってたコンピュータがあるんだけど、私達じゃ
  どうにも出来ないから……」

和「……わかったわ」

立ち上がった和は、いまだ喜びに沸く社員達へ大きな声で諭した。

和「皆さんは安全が確認されるまでここにいて下さい! 今、動いたらテロリストを刺激するかもしれません!
  だから、もうしばらくここで動かないでいて!」

ざわざわと言葉が交わされていたが、反対するものは誰もいない。
せっかくの助かった命だ。下手に動いて撃ち殺されるのは御免というのが、偽らざる気持ちなのだろう。

澪「さあ、行こう」

和「ええ」

律「澪! 和!」

走り出そうとする澪と和の背中に声が掛けられる。
振り向いた二人の目に映ったのは、これまでに無い弱気な表情の律だった。

律「死んじゃ、ダメだぞ……」

こんな時の律に向けて、どんな顔をすればいいか。どんな言葉をかければいいか。
幼馴染の澪も、高校時代からの親友の和も、よくわかっている。
二人は笑顔で答えた。

澪「お前を置いて死ぬもんか!」

和「私が死んだら、誰があなた達の面倒を見るのよ」クスッ


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