過去ログ - 唯「だいはーど!」マクレーン「ケイオン?」
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82:唯「だいはーど!」マクレーン「ケイオン?」 [saga sage]
2011/11/23(水) 23:22:17.94 ID:LQ7NAzFB0
 


〜船外・ボート置き場〜

二人がやっとの思いでボート置き場にたどり着くと、ボートは既に無く、テオと唯の姿も見当たらなかった。
その代わり、大型ウィンチのドラムが回っており、そこから伸びるワイヤーロープが船の下へと
続いている。
マクレーンは和を床に寝かせ、舷側欄干から身を乗り出し、船の外を見下ろした。
ワイヤーロープの先にはモーターボートがあり、テオと唯の姿も確認出来る。
ボートが着水するまでの距離もまだ半分といったところだ。

マクレーン「よっしゃ、まだ間に合うぞ。ボートに乗り込んでいって、あの野郎を海の底まで
      沈めてやるぜ。それなら爆発してもユイは無事だ」

ただし、ウィンチ横にひっそりと置かれた小型ビデオカメラの存在に、マクレーンは気がついて
いなかった。
ボートのテオが手にしているラップトップの画面には、マクレーンと和の姿が映っている。
この場に到着した瞬間から二人は捕捉されていたのだ。

テオ「こんなのはいかが?」カタカタカタカタッ カタッ

ラップトップのキーボードが連続して叩打され、最後にエンターキーが音高く打たれる。

ボート置き場のどこかからピッピッピッという電子音が聞こえてきた。
不審な音に、マクレーンが周囲へ視線を巡らせる。
ボート置き場の片隅。どちらかといえばマクレーンより和に近い位置。その辺りで赤い光が点滅
している物体が見えた。
音と光と物体の形状が、数時間前にクラウスが一斉放送した内容に変換され、マクレーンの脳内で
スパークした。

マクレーン「危ねえ! クレイモアだ!」

和に覆いかぶさるように、自分も身を伏せる。
その動作とほぼ同時のタイミングで、音と光の発信源が炸裂した。
爆発音と共に無数のボールベアリングがマクレーンと和へ雨あられと襲いかかる。

マクレーン「ぐああっ!」

クラウスの言った通り、確かに殺傷能力は低かった。しかし、軽傷で済んだ訳でもない。
頭の先からつま先まで、ボールベアリングが当たった箇所は大きな傷となり、血が噴き出している。
唯一の喜ばしい事といえば、マクレーンが覆いかぶさったおかげで和がほぼ無傷だった事くらいか。

テオ「ハハッ、クラウスからこっちの起爆コードも盗んでおいて正解だったね」

ボートのテオはご満悦である。
そうこうしているうちにも、ウィンチのドラムは回り続け、ボートは海に近づきつつあった。

マクレーン「お、おい…… 無事か、ノドカ……」

和から離れ、持てる力のすべてを以て懸命に身を起こすマクレーン。

和「ええ、私は、大丈夫……」

マクレーン「チクショウ、早く何とかしないとボートが出ちまうぞ……!」

マクレーンはどうにか立ち上がり、ボートに乗り込む方法を思案していたが、それを邪魔するものがあった。
それは、複数の足音。マクレーンと和が歩いてきた廊下の方から聞こえてくる。
あまり良い事態ではない。ここに新手が加わるならば、流石のマクレーンも万事休す、だ。
足音は徐々に高まり、高まり切ったところで出入口のドアが乱暴に開けられた。


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