65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/10/29(土) 03:06:36.38 ID:7wWWSw0AO
残された哀川潤は大きく溜め息を吐いた。
「はっ、請負人が目的もなくブラブラってんじゃニートと変わらねーもんな」
先日間桐邸の蔵書から持ち出した古めかしい本をスプリングコートの裏地から取り出し、軽く目を通す。
「刻印蟲ね、ありゃ身体中ズタボロだよな……。骨やら血管やらにも蟲が潜り込んでんのか?」
コートを羽織り、どっかりとベッドの上で胡座をかく。
彼女のスキルを総動員すればこの間桐家がどういう家なのか、そして桜が今どういう状態なのかを一晩で知る事は児戯にも等しい。
「必要なのは人体を自由にいじくり回せるレベルの施術スキルか……。こりゃ並の医者のレベルじゃ無理だな。ブラックジャックかエスパーじゃないと厳しいわ」
珍しく彼女の表情が曇る。だがそれはほんの一瞬だった。
「ま、何とかなるか」
ベッドに大の字に寝転び、哀川潤は楽天的に呟いた。
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