過去ログ - 淫魔「んふふ」 修道女「闇の気配がする……」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
2011/11/06(日) 12:07:18.79 ID:MJKDne9Zo
生徒会室
淫魔の出て行ったあと、たびたび聞こえた轟音も収まり、男はとりあえずの落ち着きを取り戻していた。
淫魔はまだ戻ってこない、幼馴染は眠ったまま。
もし、この部屋に修道女がやって来たら、なにがあっても幼馴染を守る。
淫魔から受け取った真っ黒な長剣を、慣れないながらも構え、入り口の戸に向かって男は微動だにしなかった。
人のいない学校は、本当に静かだった。
戦闘の音も聞こえず、ただ、幼馴染の寝息と押し殺した男の息だけが夕方の生徒会室に響いている。
長剣の切っ先越しに出入り口をにらんでいた男だったが、黒い剣の柄の感触が一瞬なくなり、同時に視界の一部をしめていた黒い刀身が消えて見えた。
男「あれ?」
緊張が切れたのかと、手の中の柄を握りしめ、切っ先を見つめる。
大丈夫だ。黒い剣はまだそこにあった。
しかし、男が存在を確認したとたん、黒い長剣は煙となって消えてしまった。
男「うそ……だろ?」
淫魔の先ほどの言葉を思い出す。
淫魔「もしこの剣が消え去ったら、幼馴染を連れてここを離れて」
淫魔があらかじめ言っていたことだったが、男は実際に起こるとは予想していなかった。
戦いの経過で、この部屋に修道女が飛び込んでくることはあるかもしれない。
もしかしたら修道女が強すぎて、淫魔は撤退するかもしれない。
しかし、もし淫魔が勝てないと判断したなら、ここまで戻って自分たちを抱えて飛んで逃げるはずだ。
それすらできない事態が、淫魔の身に起きたのだ。
いま、男のするべきことは、修道女に立ち向かい、幼馴染を守る英雄的な行動ではない。
淫魔に言われたとおり、幼馴染を連れて、安全な場所まで逃げるのだ。
幼馴染を揺さぶったが、ぐったりと眠り、起きる気配はない。
男は幼馴染を抱き上げ、生徒会室を出た。
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