過去ログ - 女教師「折角のクリスマス・イヴだし、付き合ってあげる」
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49:nu[saga]
2011/11/17(木) 19:06:35.61 ID:sq+AP/cA0
でも、思う。
先生と話して、先生の姿を見ていて、
自分の姿を見せられているようで、気付けた。
他人が幸福に見えても、その他人の幸福も多分長くは続かない。
クリスマスに感じられたはずの蜜月の時間はすぐに終わりを告げる。
僕が初恋のあの子に感じたはずの絆が、気のせいであったように。
家族が増えたはずの先生が、その家族から必要とされてないように。
幸福は何時かは消える。すぐに消失する。
別に絶望するべき程の現象でもない。
極当然に起こる、極当然の人間の人生なんだろう。
勿論、それは少しだけ哀しくて寂しい事ではあったけど……。
皆、そうなんだ。
孤独なのは僕と先生だけじゃない。
人間という生き物自体が孤独な生き物なんだろう。

「にしても」

不意に先生が真顔になって続けた。

「何となく出した話題を、貴方が憶えてるなんてね。
女は衝動的な自殺が多いなんて私が話したの、四月頃でしょ、確か」

「憶えてますよ。
逆に男性の自殺は散々思い詰めた果ての決心だから止めない方がいい。
そう先生が付け加えてたのも記憶してます。
単に何となく憶えてただけですけど」

「何となくでも安心したわよ。
生徒達が私の話をちゃんと聞いてるか、たまに不安な事もあるからね。
優等生の貴方には花丸をあげちゃいましょうかしら。

……それにそう言われると、
イヴに自殺するなんて、一般的過ぎてつまらなくなってきたわね。
衝動的だったのも否定出来ないし、何か悔しいな。
次に自殺を実行する時はじっくり考えて、何でもない日に独りで死ぬわ」

「そうですか……。
その際は是非ともお独りで」

僕がそっけなく言うと、
先生は、分かってるわよ、と返してからウインクした。
仕種がいちいち古臭い人だ。
年齢が年齢だから、違和感は無いんだけど。


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