過去ログ - 女教師「折角のクリスマス・イヴだし、付き合ってあげる」
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nu
[saga]
2011/11/17(木) 19:08:01.71 ID:sq+AP/cA0
僕は何も言わなかった。
そうなのかもしれないし、そうではないのかもしれない。
先生にとっての答えがそれならば、僕に出来る事は特に無いと思う。
先生が僕に出来る事も多分無い。
そう。今日の僕等は鏡越しの自分に独り言を呟き合った様なものだ。
誰かに聞かせるためじゃなく、自分に言い聞かせるために呟いただけだ。
たまたま似通った二人が冬の街角でぶつかった。
それだけの事なんだ。
もうこうして二人で独り言を呟き合う事も二度とは無いだろう。
冬休み後、顔を合わせても、僕達の関係は何も変わらない。
単なる教師と生徒に戻る。
その後、僕は高校を卒業し、先生は教師を続ける。
それだけの事だ。
一瞬だけ、僕と先生の産まれた世代が同じだったら、という思いが僕の脳裏を掠める。
もしそうなら、どうなっていただろう。
僕達は出会い、お互いに何を感じ合っただろう。
ひょっとして、傷の舐め合いに過ぎないにしても、恋人になってたりしたのだろうか。
勿論、考えても仕方が無い事だった。
僕の生きられる人生は今のこの時間と今のこの場所にしかないのだ。
仮定の話は仮定でしかない。
でも、だからこそ、僕は今日の夜の事を忘れない。
卒業後、先生と個人的に会う事は無いだろうけど、僕は今日の事を忘れたくない。
何時か死の間際に、先生と過ごしたイヴの事を思い出したいと思う。
何となく先生に視線を向けてみる。
すると、先生も僕に倣って屋上に座り込んでから夜空を仰いだ。
「……でも、今晩は貴方と遊べて楽しかったわ。
走ってた貴方にぶつかれた偶然に感謝しなきゃ。
久し振りに若返った気分で面白かった。
話も聞いてもらえたしね。
さっきも言ったけど、自分でも本当に自殺をしようとしてたかどうかは分かんない。
そもそも本当に自殺をしたいんなら、包丁を使うより幾らでもいい方法はあるもんね。
例えば屋上から飛び降りる……とかね。
特にリストカットは自殺未遂じゃなくて、単なる自傷行為だもの。
手首切ったくらいじゃそうは死なないし。
もしかしたら、今日の私は単に精神的な辛さを誤魔化すために、
身体の何処かを傷付けたかっただけなのかもしれないわ」
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