20:にゃんこ[saga]
2011/11/26(土) 19:26:41.32 ID:/PU8g+sf0
「あの……、騒がしくしてしまって、すみませんでした……」
突然、ふうにょん(?)が私の方を向いて頭を下げた。
視線の先にはワタシのスケッチブックがあるみたいだった。
「ももねこさま、スケッチしてたんですよね……?
あ、ももねこさまっていうのは、さっきのネコさんの事なんですけど。
でも、私が駆け寄ったせいで、
ももねこさまも貴方も驚かせてしまったみたい、なので」
ふうにょん(?)は何だか本当に申し訳なく感じてくれてるみたいだった。
でも、申し訳ないと感じているのはワタシも同じだった。
さっきワタシは転んだふうにょん(?)に向けて、すぐに手を差し出す事が出来なかった。
謝らなきゃいけないのはワタシの方だ。
だから、ワタシはふうにょん(?)に謝ろうと思って口を開いて、
でも……、やっぱり声が出なくて……。
しばらくワタシ達から言葉が消える。
何とかしなきゃいけないのに、人見知りなワタシは高鳴る胸の動きを止められない。
このままじゃいけないのに。
ワタシはどうにか首だけ横に振って、何かを言葉にしようとして……。
その瞬間、ちひろちゃんと呼ばれた女の子が声を上げていた。
「す……、すみません。
で、でも……、ふうにょんはももねこさまが好きなだけで、
それが御迷惑になったのなら申し訳ないんですけど、でも、でも……。
ふうにょんは悪い子なんかじゃなくて、
いつも一生懸命に頑張ってる子で……。それで……」
そのちひろちゃんの声の最後の方は掠れていた。
泣きそうな表情も浮かべていた。
ワタシが何も言わないから、怒ってるものだと勘違いさせてしまったらしい。
怒ってなんかいないのに。
謝るのはワタシの方なのに。
でも、どう言えば、
喋る事が苦手なワタシの言葉で二人を安心させられるのか、分からない。
見た所、ふうにょん(?)もちひろちゃんも口数が多いタイプには見えない。
多分、三人が三人とも、慣れない状況に戸惑ってしまっているのだ。
心配そうに、ふうにょん(?)がちひろちゃんの肩に手を置く。
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