過去ログ - 黒子「……好きにすれば、いいですの」
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19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(岡山県)[sage saga]
2011/11/26(土) 01:35:02.87 ID:Cp32iA0do
特に理由はない。

一歩も引かないやつ、とも言われる。

勇敢だ、とも言われる。

向こう見ず、とも言われる。

そうするのは、結局、理由がないからだ。

ただ、そこにいて、そんな状況があって、そうなった、だけだ。

そのときの言葉も嘘じゃない。

逆に、その言葉が信念じゃない。

そう思って、言っている。それだけだ。

きっと、そのときと、その状況が違えば、逆にことを言っていただろう。

図書館を救ったのも、きっとそういうことだ。

誘引物質を助けたのも、そういうことだ。

御坂美琴を護ったのも、そういうことだ。

そのような状況だった、だけだ。

そしていま。

腕の中で、涙を流しながら唇を噛み締める少女がいる。

御坂美琴を、慕うもの。

夜の街で適当な相手を探すのも、生理的な欲求に過ぎなかった。

それが御坂美琴の何かに繋がるかなんて、考えはなかった。

彼女が持ちかけてきた取引に応じたのも、夜にわざわざ街を徘徊する必要がなくなるから、というのが主な理由だ。

だが――。

「っ! ぅうっ! んんっ!」

口から漏れる声を必死に抑える少女を見ていると、興味が湧いてくる。

彼女のは、どう乱れるだろう。

彼女は、どう変わるであろう。

舌を絡める前に、口の中で溶かしておいた媚薬。

嫌悪を伴う相手と同衾するのだ。何をしても『濡れる』わけがない。

そのままでは、とても無理だろう。かといって、潤滑油に頼るのもつまらない。

薬は、用意に生理的反応を助長する。

本来ならば、もう十分だ。

だが、だめだ。興味がわいた。

彼女はどう変わるのか。御坂美琴と、どう接するのか。

少女の背中に舌を這わせ、彼は思う。

そこにいて、そんな状況があって、そうなった。

この娘は、どんなことになるだろう。


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