過去ログ - 勇者「ハーレム言うなって」魔法使い「2だよっ!」
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883: ◆3VOBH3KJAk[saga]
2012/02/20(月) 15:36:17.13 ID:T3y4b9Dc0
怪僧は、少し間を置き、慌てた様子で捲し立てる。

「末の王子が何の用でしょうか」

「革命に、参りました」

そんな末王子の気迫に、誰もが脅えた。誰もが気圧された。

「王族の貴方が革命?面白い冗談を仰る方だ」

内心の隙を見せるものかと居丈夫を装い続ける怪僧に、末王子は言い放つ。

「冗談ではありません。私は、貴方に決闘をこの場で申し込みます」

決闘。その言葉の意味を、ここにいる誰もが理解していた。

辺りは騒然とした。この実質は王に近い実権を持つ怪僧に、全く権力を持たない末王子が決闘を申し込むなど、誰もが予想だにしていなかった。

「決闘?決闘は元服した男性しか申し込む事ができぬと、この国の款する法にありましたが」

「私は昨日で十六になり、元服致しました」

怪僧は、しまった。そうであった、と口内を乾かせた。

決闘とは、この国の法で定められた、有権者同士の争いの方法である。

決闘を申し込まれた人間は、如何なる状況にあろうとも、その場でそれに応じなくてはならない。

そして、敗者は、勝者に従わねばならない。

例え、敗者が屍に成り果てていたとしても。

そんな決闘を申し込まれるケースを恐れて、自分の敵に成り得そうな王族には、長い年月をかけて取り入って来た。

だが、この第十六王位継承者は完全にノーマークだった。

「よろしい。いいでしょう」

少し考えた末に怪僧は言葉を落す。

「ですが、私は身を病で摩り減らしております。代わりに、この私の教徒がお相手致しましょう」

そんな嘘を言って、姫の傍らにいる大男、死刑執行人を招いた。

死刑執行人は巨漢な末王子よりも一回り大きく、屈強そうな体をしていた。

怪僧には勝算があった。

この死刑執行人は以前訪れた監獄から引き連れた者で、彼は娑婆に居た頃はその身一つで、ある国の兵を三十人殺害していた。

監獄に容れる際も、大人十人掛りでなければ、縛った彼を制する事は出来なかったという。

「良いでしょう。こちらの方が、やり甲斐がありそうだ」

その言葉と同時に、末王子は剣を抜き、

「来い」

言い放つ。それが、決闘の合図になった。


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