過去ログ - 勇者「ハーレム言うなって」魔法使い「2だよっ!」
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884: ◆3VOBH3KJAk[saga]
2012/02/20(月) 15:37:02.41 ID:T3y4b9Dc0
死刑執行人が、手に持つ斧を末王子の頭に振りかざした。

だがそれは末王子の髑髏を二つにする事無く、空を切る。

元に居た場所から半身をずらし、それをやり過ごした末王子は、死刑執行人の首を狙う。

その一撃も巨大な斧に遮られる。

火花が散る。両者も散り、距離を取る。

それを追う様に死刑執行人が足を踏み出した。そして再度斧を振りかざす。

末王子は思考を巡らせる。

斧という武器は厄介なもので、それには流派や決まった業が無い。

故に、その振り上げた凶器が、自分の体を縦に抉るか、横に薙ぐか、直ぐに判断しかねるのだ。

判断が多少でも遅れれば、それは命取りになる。

だが末王子の内心は冷静だった。

モーションが大きい。それが斧使いの欠点。

直ぐに意を決し、死刑執行人の懐に潜り込む。

「あ」

息を呑んだのか、それとも息は口から吐くことも無く、漏れ出でたのか。

死刑執行人はそれさえも分からなかった。理解し得る筈など無かった。

刹那だった。死刑執行人は既に死んでいた。

懐に潜り込んだ末王子は、一瞬で、その剣を死刑執行人の喉に突き立て、横に薙いでいた。

崩れ落ちる斧を持った巨体に、人々は目を凝らしている。

それは、彼等からすれば一瞬の出来事であったのだ。

末王子が、勝利していた。


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