過去ログ - 勇者「ハーレム言うなって」魔法使い「2だよっ!」
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882: ◆3VOBH3KJAk[saga]
2012/02/20(月) 15:35:34.55 ID:T3y4b9Dc0
怪僧はそんな姫の様子に気付いたのか、彼女に問いかけた。

「何か、最後に言い残すことはありますか?」

姫は、暫く何も答えなかった。

これ以上は無駄か、と執行人を呼ばれんとした時、彼女はその固く閉ざしていた唇を開いた。

「花」

「花?」

怪僧は思わず尋ね返した。

「花を。私が城外に意を焦がす身だと知って、城には咲かない花を、届けてくれた、貴方様」

今にも泣き出しそうな、それでいて凛とした調子で姫は続ける。

「この場に居ずとも、私は。貴方に、貴方にお会いしたいのです」

怪僧は、そんな姫を懐疑の目で睨めつけている。

「どうか、どうか、届かなくとも、請わせて下さい」

彼女は泣いていた。その様子に周りの王位継承者や貴族達も静まりかえっていた。

怪僧はその周りの様子に気付き、彼女の話を遮り、終わらせようとしたが、彼女は強く、弱く言い放った。

「どうか、助けてください」




「はい。必ずや」



答えがあった。

誰もが振り返った。誰もがその声の主を、その男を見た。

巨漢。強健。精悍。威風堂々。

そんな言葉が似合う男が、エントランスの入り口に立っていた。

第十六王位継承者が、そこに居た。


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