892: ◆hZ/DqVYZ7nkr[saga]
2012/04/08(日) 00:54:53.14 ID:LJhw5GtIO
「後は……」
久しぶりに、みたような気がした。
一方通行の笑顔を。
「頼ンだ」
芳川を垣根に渡すと、一方通行は百人近くの妹達がいる調整槽のある部屋へと向かう。
垣根は何故か、一方通行に声をかけることができなかった。
「一方通行……」
「ミサカも、ありがとうな。そンでごめン。
……芳川と垣根の事……頼むぜ」
「アク―― 」
ミサカ00002号の言葉を遮るように一方通行は微笑みながら首を横に振る。
“もういいンだ。もう、終わったンだよ”
とでも、言うように。
部屋に入ると、そこには御坂美琴、カエル先生、インデックスがいた。
カエル先生とインデックスはそれぞれ別の事を察し、それで本当にいいのか? と無言で語りかけてくる。
御坂は、一方通行の表情にギョッとしたように目色を変化させると、00002号と同じように、名前を呼んだ。
「一方通行……?」
「悪いな、いまお前と話している暇はねェンだ」
軽くあしらうようにではなく、心底申し訳ないと、その声色は示していた。
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