過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.12
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569: ◆WNrWKtkPz.[sage]
2012/05/15(火) 21:07:28.28 ID:eaGLKJHto
一蹴されてしまった。
あやせとの会話で分かってもらえるとは思うが……結局、桐乃とあやせには記憶喪失のことを言い出せなかった。
あやせの言うように二人の会話の途中に何度か言い出そうとは思ったのだが、二人が楽しそうに話をしてくれるのを見て毎回躊躇ってしまう。
そんなことを繰り返しているうちに、言い出せずに桐乃は帰ってしまったし、あやせも帰るものだと思っていた。

「それはそれとして、隠してることを話してくれないんですか?」

「別に隠してたわけじゃないんだが……」

さすがにここまで言われては、あやせに記憶喪失について話すしかないだろう。

「実はだな……今の俺はあやせどころか、桐乃のことを知らないんだよ」

「ふざけてるんですか、お兄さん?」

こ、怖えよ!口調だけなら「わたしちょっと怒ってます」なのに、顔に表情がないから空気が凍ったように感じて仕方がない。

「い、今から説明するから落ち着いてくれ!」

「何を言ってるんです、お兄さん?わたし落ち着いてますよ?」

「そ、そうか」

絶対に嘘だ。口に出したら何が起きるかわからないから言わないけど。

「お兄さん、失礼なこと考えてませんか?」

「……気のせいだ」

俺って考えてることが顔に出やすいのか?

「今俺があやせと桐乃を知らないって言ったのは別に嘘じゃない。
 正確に言うならW覚えてないWんだよ」

「どういうことです?」

「俺もよくわからないんだが、なんでか思い出の記憶が全くないんだよ」

「……桐乃はそのことを知ってるんですか?」

あやせの疑問はもっともなのだが……。

「知らないらしい。親父は俺に任せるって言ってた」

「どうして……さっき桐乃がいたときに教えようとしなかったんです?」

「言おうとは思ったんだが……」

なんでかわからないが、楽しそうに話をしてる妹を見てると、なんとなく俺の記憶について話すのを躊躇ってしまった。
特に深い理由があったわけでもない。



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