過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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607: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 22:59:56.21 ID:nvGs0I5wo

そう微笑むと、彼女はさっさと温泉まんじゅうやら温泉卵を買ってしまう。
そしてやけに嬉しそうに上条の元へと戻ってきて、隣に座った。フワッと甘い香りが届く。
上条は少しドキッとしながらも、冷静を装って口を開く。

「悪いな」

「ふふ、私への好感度大幅上昇って感じですかぁ?」

「いくら上条さんでも、まんじゅうと卵で籠絡される事はないですよっと」

「ちぇー」

口を尖らせて、食蜂は買ってきたものを取り出す。
それを見て、上条は少し驚く。別に変なものがあったというわけではない。
観光地ではゲテモノを売ってたりなどは珍しくないのかもしれないが、食蜂が買ってきたのは至って普通のものだ。

ただ、その量が予想していたよりも遥かに多かった。

「……なぁ、いくら俺でもそんなに沢山食えねえぞ? お土産か何かか?」

「え、いえ、私がこれくらい食べたかっただけですよぉ」

「そんなに食うの!? インデックスかお前は!!」

「むっ、だからデート中は他の女の子の話は禁止です。
 ていうか別にこのくらい普通だと思いますけどぉ。私だって中学生で育ち盛りなんですしぃ。他の子が気にしすぎなんですよぉ」

「……太るぞ」

「太りませんー。食べた分は全部胸にいくんですよ私ぃ」

「ぶっ!!」

やたら自慢げに両手を首の後に回して胸を強調する食蜂。
それによってこれでもかと言わんばかりに自己主張する双丘に、上条はバッと目を逸らした。

すると食蜂はニヤニヤと笑みを浮かべて、

「あらぁ、やっぱり上条さんは巨乳派なんですねぇ。いいですよぉ、ちょっとくらい触ってみても」

「んな事できるか!!!」

いくら人が少ないとは言え、居ることは居る。
そんな中で中学生の胸を触るなんて事をしたら、社会的地位がどん底に落下するだろう。

(いや別に誰も見てないならいいってわけじゃないけど!!)

誰にというわけでもなく、一人で勝手に心の中で弁解する上条。
食蜂は少し不満気に頬をふくらませ、

「つまんなーい。もしここで触ってたら、それを盾に色々追い込めたのにー」

「最近の中学生は恐ろしいなオイ」

「ふふ、私はインデックスさんや御坂さんよりは大人びていると自負していますよ? つまり上条さんの好み的には私が一番合致しているというわけです」

「んなリアルな大人っぽさ求めてねえよ。俺は年上のお姉さんの優しい包容力を求めてんだ」

「そんなの幻想に決まってるじゃないですかぁ。そういう人に限って、裏で何やっているか分からないですよぉ? 例えば夜になったらぁ……」

「やめて!! その幻想はぶち殺さないで!!!」

上条は耳をふさいで現実逃避を試みる。
理想である寮の管理人のお姉さんは、いつも箒を片手に笑顔で挨拶してくれる人で、包容力満点の癒し系純情お姉さんなのだ。
勤務時間が終わった瞬間に夜の街に繰り出して、いかついお兄さん相手に愚痴をこぼしまくっている姿など想像したくない。

例えそれは儚い幻想だったとしても、世の中には壊してはいけないものだってあるはずだ。



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