過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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608: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 23:00:41.40 ID:nvGs0I5wo

食蜂はそんな上条に苦笑すると、温泉卵を片手に空を見上げる。
つられるように上条も視線を上に向けてみると、そこにはオレンジ色から次第に茜色に変わっている空が遠くまで広がっており、薄い雲がいくつか浮かんでいる。
明日は雪が降るかもしれないという予報が出ていたはずだが、そんな気配を感じないほど綺麗な夕焼けだ。

以下略



609: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 23:01:53.57 ID:nvGs0I5wo


二人は休憩所を後にして、更に上の方へ登っていく。左腕は相変わらず食蜂に抱きつかれる形になる。
食蜂の話だと、上の方に景色が綺麗な場所があるらしい。この時間ならば夕陽がいい具合にロマンチックなんだとか。
日も落ちてきているので、周りの人もだんだんと少なくなっていく。
以下略



610: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 23:03:00.58 ID:nvGs0I5wo

「上条さんがバカで良かったって事ですぅ」

「突然なんたる言い草!!!」

以下略



611: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 23:03:44.53 ID:nvGs0I5wo

上条のそんな言葉に、プクーと頬を膨らませる食蜂。
だが今までの彼女の言動から考えても、警戒するに越した事はないはずだ。
例えば冗談なのかどうか分からないが、ずっと言っているホテルへ強制的に連れて行くというのも、上条からしてみれば深刻すぎる展開だったりもする。

以下略



612: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 23:04:29.90 ID:nvGs0I5wo

その音に、上条は大きな反応を見せなかった。
検診の時間にはまだ早い。という事は、おそらく扉の向こうには見舞い客でも居るのだろう。
こうして入院することになって、見舞いに来てくれる人が居るというのは喜ぶべきことなのかもしれない。

以下略



613: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 23:05:07.17 ID:nvGs0I5wo

何を言おうとか、どう慰めようかとか。
そういったものが頭に浮かぶ前に、既に口から言葉が出ていた。


以下略



614: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 23:06:23.96 ID:nvGs0I5wo

インデックスがどれだけ大切な存在であるか、そしてその理由。
それは今の記憶を再び確認したことで、よく思い知ることができた。

「でもぉ、これって使い過ぎは禁物なんですよぉ。人によっては過去の記憶にだけすがって現実に戻って来ないような人も居たりしますからぁ」
以下略



615: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 23:07:04.68 ID:nvGs0I5wo

記憶が無い上条にとっては、彼女とは両親よりも長い時間を共に過ごした人だ。
一緒に居るだけで心が落ち着き、例え二人の間に会話がなくても居心地がいい。
お互い迷惑もかけるし、心配もかける。
そしていつだって互いが互いの味方。もし世界中が上条の敵に回ったとしても彼女だけは味方でいてくれるし、その逆だってそうだ。
以下略



616: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 23:07:44.26 ID:nvGs0I5wo

食蜂はじっとこちらを見ていた。
そして何かを言おうとして中途半端に口を開き、躊躇する。

「ん、どうした? 何かあったら教えてくれ。俺もまだ掴みきれてないとこともあるかもしんねえ。自分のことなんだけどさ」
以下略



617: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 23:08:43.52 ID:nvGs0I5wo

それからまた少しの沈黙が流れる。
そのまま何も言わずに、再び食蜂は上条の肩に頭をコトンと乗せた。

上条は少し驚いて、そちらに顔を向ける。
以下略



618: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 23:09:32.19 ID:nvGs0I5wo

「うおっ!?」

「きゃあ!!」

以下略



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