過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2013/05/15(水) 15:30:30.72 ID:51CZBCmfo
「うん。例えとうまに恋人ができたとしても、とうまはきっと今と変わらず私のことを大切に想ってくれて、ピンチの時はヒーローみたいに駆けつけてくれる。
この前のみさきの件でとうまが教えてくれたんだよ。とうまがそう想ってくれるだけで、私はこれ以上ない程幸せなんだよ」
「それはちげェだろうが。本当のハッピーエンドってやつは、アイツがオマエと恋人になる事のはずだ」
「あはは、確かにそうだね。それじゃあ『十分幸せ』に訂正するかも」
一方通行はじっとインデックスを見る。
例え恋人になれなかったとしても、自分のことを大切に想ってくれているのであればそれで十分。
それは全て本当ではないだろうし、全てウソでもないはずだ。
自分以外の誰かが上条の隣を歩くことに、全く胸を痛めないなんて事はないだろう。一方で、今現在の上条からの想いで十分幸せだという事もウソではないはずだ。
いずれにしろ、これは誰かが口を出すようなものではない。重要なのは彼女自身が納得しているかどうかという事だ。
彼女の言葉だけを考えると、どこか言い訳がましいように感じるかもしれないが、その表情と声の調子からそんな半端な気持ちではないという事は分かった。
いつだって自分にとって最も良い結果を望めるわけではない。
それは一方通行自身がよく知っている。その中で人は選択していくのだ。
会話が途切れると、インデックスはチラリとロビーにある時計を見る。
「もう遅いし、そろそろ部屋で騒いでる人達を何とかした方がいいかも。あなたはとうま達の方に行ってくれる?」
「何で俺が……」
「じゃあしずり達の方に行く?」
「…………」
どちらか選べと言われれば、もちろん上条達の方だろう。
観念したように、一方通行は小さく舌打ちをして立ち上がった。
それから少し歩き、インデックスは男部屋に入っていき、一方通行は更に進んで女部屋の前までやって来た。
そして、何の躊躇いもなしにドアノブを掴む。
入る前に少しでも中の状況について予想しておくべきだったと彼が後悔するのはその数秒後。
***
それから少しして、美琴が色々と言い訳を早口でまくし立てるのを聞き流しながら、一方通行は黒焦げになった上条を受け取る。
「だから何度も言うけど、私は別にキ、キキキキキキスするつもりとかじゃなくて――!!」
「分かった」
「いや絶対分かってないわよね!? いいから聞きなさいよ、私はあくまでコイツの顔に何かついてたから――」
「分かったっつってンだろうが鬱陶しい!」
顔を真っ赤にしたまま必死に弁解している美琴に、一方通行はイライラしながら吠える。
美琴は一瞬ムッとするが、すぐにバツが悪そうに視線を泳がせながら、
「え、えっとさ、でもアンタみたいにまた誤解受けるかもしれないから、さっき見たことは他の人には秘密にしてくれない……?」
「あンなモン、俺がわざわざ他の奴等に言うわけねェだろうが」
「そ、そっか。それならいいわ」
明らかに安心した様子の美琴。
これではどう見ても先程からの言い訳がウソだと言っているようなものだが、わざわざそこを突いて更に面倒な事にはしない。
とにかく、これでやっと部屋に戻れそうだと、一方通行は上条を引きずるように運び始める。
その背中を、美琴の声が追った。
「……ねぇ、アンタは打ち止めとずっと一緒に居たいのよね?」
「あン?」
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