過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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946: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2014/03/04(火) 07:36:49.26 ID:4ipaVk6zo


時間を少々遡って、最初のアトラクション。
いきなり彼女はかなりスリルのあるジェットコースターに乗ろうと提案した。
当然ながら上条は止めたのだが、大丈夫だと言って聞かなく、根負けした形で彼女の希望通りのものに乗ることになった。

そのジェットコースターは見た通り聞いた通りのダイナミックっぷりだった。
正直、上条もかなりのダメージを受けて、膝が笑いそうになるのを必死にこらえる有様だ。
しかし、彼女は降りた後に一言。

「うーん、私としてはもっとスピードあっても良かったかも」

上条としては十分過ぎるスピードで、あの時点でも結構ギリギリだった。
それなのにインデックスが平然とそんな事を言ってのけただけに、相当驚いたものだ。

まぁ、理由を聞いてみればなんて事はなかった。

「え、だって私、イギリスでもっと速く動いたりする時もあるもん。仕事で」

「はい!? ……あ、魔術か」

「うん。別に珍しいことでもないよ。ほら、かおりだってよく音速で動いたりしてるじゃん」

「あんな聖人持ちだされてもな……まさかインデックスまでそんな事できるとは思わなかったしさ……」

「ふふん、これでも私は禁書目録だからね。学園都市に来る前にやった仕事では、ビッグベンから一気に飛び降りたりしたんだよ」

「…………」

何と言うか、スケールが違いすぎた。

つまりは、神裂火織がジェットコースターに乗っても、眉一つ動かさないであろうといった事と同じ事だというわけだ。
普段から生身でジェットコースター以上の速さを体験していれば、怖がるはずがない。

しかし、このままでは終われない。
そんなわけで、無謀にも最高スリルのジェットコースターに挑戦したわけだ。


時間は今現在へと戻る。
学園都市の誇る、科学の最先端を文字通り突っ走る最強のジェットコースターに見事に打ちのめされた上条。
一方でインデックスはこれに関してはそれなりに楽しめたようでニコニコとご機嫌だったのだが、隣の少年の顔を見て一気に心配そうな表情に変わっていた。

「とうま、ちょっとそこのベンチで休んでいこ?」

「は、はい……」

最高に格好悪すぎて泣きたくなる上条だったが、そうも言ってられない有様なので大人しく従う。
未だに頭をシェイクされるようなグルグルとした感覚が抜け切れずに、かなりの吐き気もあるのだ。

こういった気分が悪くなった客のためかどうかは知らないが、人が休めるようなベンチはすぐ近くにあった。
上条はすぐに倒れこむように、そこに横になった。

するとインデックスは何故か視線を逸らしながら、ぼそぼそと尋ねてきた。

「……頭痛くない?」

「ん? あー、そりゃまぁ調度良く枕もねえし快適とは言えねえけど、それは仕方ねえよ」

「あの、えっと、それなら、さ」

インデックスは顔を赤らめてもじもじとしている。
一体どうしたのか、と疲労困憊の頭を動かして考えてみる上条。

「……え、もしかしてインデックスさん…………膝枕してくれるとか?」

「っ!!」

まさかと思って言ってみると、彼女は更に一層顔を染めて俯いてしまった。

……どうやら当たりだったようだ。
上条としては冗談のつもりで言ってみただけだったので、反応に困る。

だが、こうしてお互い微妙な空気のまま沈黙を続けるのはもっとキツイ。早い所、何か言わなければいけない。
もちろん彼女の申し出は上条にとって嬉しいものである事は確かだ。
ただし、だからといって欲望丸出しで即座に食い付くなんて事は、恋愛経験皆無な高校生にはいささかハードルが高い。



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