過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2014/03/04(火) 07:37:46.30 ID:4ipaVk6zo
ここは無難に、平静を取り繕いながらお願いするのが一番だろう。
「それじゃあ……その、頼もう……かな」
「う、うん、分かった」
自分でも若干声が震えているのが分かった。もう完全にごまかしきれていない。
その辺りはとにかくインデックスが気付いていないという事を願うしか無い。
一方で、彼女も彼女で、相当動揺しているのが丸分かりだった。
視線はゆらゆらと定まらず、決して上条に合うことはない。
加えて、元々色白の肌が赤く染まってかなり目立つ。
そこまで恥ずかしいのなら、膝枕なんていうのは初めからやめておいた方が良かったんじゃないかとも思ってしまう。
といっても、それを言ってせっかくのチャンスをふいにする程、上条も全くの無欲というわけでもないのだが。
インデックスは上条の隣に座ると、やけに念入りに着ている修道服のふとももの辺りを整える。
「一応言っておくけど……変な所とか触ったりしたらダメなんだよ」
「そ、そんな事しねえって!」
思わず声が上ずってしまった。
いや、別に上条はそんなやましい事を考えていたわけではなく、純粋に動揺しただけだ。
それでも、インデックスの方も余裕があるわけでもないらしく、それで疑惑の目を向けてくる事もない。
上条は一度ゴクリと喉を鳴らし、彼女の膝の上に頭を乗せた。
「……おぉ」
「ど、どうしたの?」
「いや、なんつーか……凄くいいです」
「そう……? それなら、いいんだけど」
嘘偽りのない素直な感想だった。
サラリと優しく肌を撫でる彼女の修道服の感触。
そして何より、彼女自身の膝の柔らかさ。温もり。
二月の曇り空の下であるにも関わらず、上条は全く寒さを感じなくなっていた。
理由としては彼女の温もり以上に緊張しているという事があるはずだ。
あまりにも心地いいので、目を閉じればそのまま眠れそうだった。
流石に彼女にも悪いのでそんな事はしないが。
「……はぁ」
「なんだか随分と重い溜息かも」
「そりゃな……ジェットコースターでダウンして心配かけるとか情けねえなってさ」
「んー、でもとうまの場合は今更かも。私的には夏休みの宿題を年下の女の子に教えてもらう方が情けない気もするし」
「なぜそれを知ってる!?」
「もちろん、みことに聞いたんだよ」
ぐっ、と屈辱に震える上条。
それは紛れもない事実であり、全面的に自業自得なのだが、簡単に割り切れないものだ。
するとインデックスは穏やかな笑顔を浮かべて、
「大丈夫だよとうま。勉強が壊滅的にできなくても、人間何かしらで役に立てると思うし」
「それ慰めてるように見えて更に傷抉ってないか? そういうお前だって二次方程式とか解けんのか!」
「だって私はもう公務員だし」
「ぐっ!!!」
「それに少なくとも語学は自信あるから、それを活かしてもやっていけると思うんだよ。鎖国状態のとうまと違って」
「ぐぅぅぅぅっ!!!!!」
完全敗北。
少し前までは上条家でゴロゴロしているだけだった少女は、いつの間にか自分の遥か先へと進んでいた。
何とも虚しいものである。
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