過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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948: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2014/03/04(火) 07:38:13.74 ID:4ipaVk6zo

「あ、せっかくだし、この前のお話の続きでもしよっか?」

「この前?」

「うん。ほら、旅行の温泉でちょっと将来の話をしたよね。とうまって将来何やりたいのかなって」

「……あー。いやでもそんなすぐ出てくるもんじゃないだろそれ」

「だけどちゃんと考えておいた方がいいよ? 難しい事かもしれないけど、自分が進みたい道が見えてるかどうかっていうのはとっても大切な事だと思うし」

「なんかインデックスがすげえまともな事言ってる……!」

「その言い方には激しく引っかかる所があるけど、今はスルーしてあげるかも。それで、本当に何もないの? 漠然とでもいいから」

「そうだな……」

少し考えてはみるが、中々すぐに出てくるものでもない。
そもそも、上条は常にやりたい事はやっているような感じだ。
ほとんどが困っている人を助けたいという分かりやすいもので、そのためにはどんな相手にだって右手を振るってきた。

その辺りを考えると、

「……やっぱ警備員(アンチスキル)とかになるのかねぇ」

「アンチスキルって……つまり先生って事?」

「いやそんなしっくりくるわけじゃねえんだけどさ」

「まぁでも、とうまのイメージ的には結構合ってるかも。いつも説教してる感じだし」

「別に説教好きってわけじゃねえんだけどなぁ。だけどほら、学園都市の治安維持にはこの右手とか役に立ちそうってのもあるしな」

上条の言葉に、インデックスもうんうんと頷く。

「問題は頭の方だけど、そこも体育の先生なら大丈夫なのかな」

「全国の体育の先生の皆さんに謝れ。そんな簡単なもんじゃないだろ」

「うーん……それもそうかも。とうまの場合、まずまともに学校に通えるのかっていう不安もあるしね」

「うっ」

やはりというべきか、一番の問題はそこかもしれない。
というか、まともに仕事場へ行けるのかというのは教師に限らず、あらゆる仕事で大きな問題だろう。

生まれ持ったこの不幸体質。
今日で十六年の付き合いになるわけで、流石に慣れてきたというのもある。諦めといった方が正しいかもしれないが。
それに加えて、やたらと上条の周りにはピンチに陥っている人やらも集まってきたりして、気付けば出席日数もギリギリの所まで追い詰められる有様だ。

今は学生の身で先生も色々と庇ってはくれているが、これが大人になったらどうなるのかというのは考えるだけでも頭が痛くなる。

「……まともな先生の仕事ってのは厳しそうだな。となると治安維持専門の仕事みてえのを探した方がいいか」

「しずり達みたいな?」

「あれはちょっと違う……」

「じゃあ必要悪の教会(ネセサリウス)みたいな?」

「それも暗部みたいなもんじゃねえか。つか俺、割と無給でそっちの仕事してたよな?」

「あはは、でも今から給料要求しても出してくれるかは微妙かも。最大主教(アークビショップ)があんな感じだし」

「期待はしてねえけどさ……けど、まぁ、そっちの仕事ってのもありかもな」

特に意識せずに、自然と口からこぼれた言葉。
もしかしたら、これが一番にある希望なのかもしれない。
インデックスと一緒に居たい、それは当然想うところだ。



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