過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2014/03/04(火) 07:42:22.56 ID:4ipaVk6zo
上条は驚いて目を見開いた。
上条も上条で、相手の攻撃を避けるという事は考えていなかったからだ。
意図せず行動が被ってしまった事に、思わず口元に笑みが浮かぶ。
「何が面白いんです……かっ!」
「っ……なんでもねえ……よ!!」
拳が顔面を捉える鈍い音が連続する。
ノーガードの打ち合い。
端から見れば子供のケンカのようにも見えるかもしれない。
それでも、二人は真剣そのもので、ただボロボロになっていく相手の顔を殴り続ける。
顔の痛みはもう麻痺してきていた。
代わりに、次第に拳の痛みがジンジンと広がっていく。
拳は皮が剥け、血が滲んでいる。とにかく力任せに殴りつけているだけなので、当然の経過だ。
「……どうして」
「あ?」
「どうしてあなたなんですか!!!」
エツァリは大声で吠え、更に重い一撃を放つ。
強烈な衝撃に、上条の足がフラつき反撃が遅れた。
その隙を見逃さず、エツァリは一気に畳み掛けてくる。
拳の乱打が、容赦なく上条の顔面へと叩き込まれる。
「自分はこんなにも御坂さんの事を想っている! あなたよりも遥かに!!」
「ぐっ……だ……ろうな……」
「自分の好きな女性を守ってほしいと、あなたに言うしかなかった! それが彼女の為だともっともらしい言い訳を噛み締めて!」
「……がぁ……ぐぅぅ……っ!」
「それなのになぜ……なぜ自分はこんな立場で、あなたが御坂さんの近くにいるんだ!
自分はただひたすら裏方で……いつだって主人公はあなただ! どうしてですか!? 答えてくださいよ!!!」
「そんなの知るわけねえだろうが!!!!!」
エツァリの乱打の間を縫って、今度は上条が思い切り右腕を振り抜いた。
クリーンヒットしたその一撃は、相手の体を浮かせ後方へ吹き飛ばす。
そうやって物理的な距離が開いて、間が生じる。
いつの間にか降ってくる雪の量が増えていて、積もるペースになってきていた。
上条もエツァリも、肩を激しく上下させながら、上空へ白い息を吐き出している。
「俺が知るわけねえだろ! 俺は俺で好きに動いただけだ。いつだってそうしてきた。
別に御坂に惚れてもらおうとしたわけじゃねえし、主人公になるつもりなんてなかった!!」
「運命……ですか。こうなる事は最初から決まっていた……と」
「そんな大それた事言うつもりはねえよ。それに俺は運命ってやつが一本道だなんて思ってねえ。
お前が主人公で、御坂がヒロインの物語だってどこかにあったはずだ。どっかの魔神の手にかかれば、その物語も簡単に作れたかもな」
「…………」
「でもお前は、“今ここにいるお前”は自分の足でこの世界を歩いてきたんだろ! 誰かに歩かされてきたわけじゃねえだろ!
それなら受け止めろよ! 運命だとか神様のせいにしてんじゃねえ! そんなもんに潰されてんじゃねえぞ!!!」
「勝手な事を言ってくれますね!!!」
エツァリが一気に距離を詰め、上条の顔面を殴る。
すぐに胸ぐらを掴んで引き寄せ、更に殴る。
何度も、何度も。
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