過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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979: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2014/05/01(木) 02:46:27.04 ID:wiguRyO8o

「なぁ、インデックス。前の俺と今の俺、割と変わってなかったりしねえか?」

「うん、確かに変わってないかも。それに、私にとってはどっちもとうまだし」

「そっかそっか」

「……? なんだか嬉しそうだけど」

「あぁ、やっぱ人ってのは根っこの方ってのは変わらねえもんなんだなってな」

変わっていくものと変わらないもの。
人々の住む街並みと降りしきる雪のように、それらは常に共にあるものなのだろう。

上条は空を見上げて、白い息を上空へと吐く。
視界の端、背中でインデックスも上条につられたのか、同じようにしているのが分かる。

星はほとんど見えない。
この前の旅行先とこの学園都市では場所が違うが、星自体の位置には大きな差はないはずだ。
これはただ単に、この街が明るすぎて見えなくなっているだけだろう。

イギリスなんかになれば、星の位置が変わって、見える空も違ってくるのだろうが。

「……イギリスは雪とか多いのか?」

「ううん、ロンドンは多くはないよ。スコットランドなんかになると違うけど」

「そっか……なら安心だな。インデックスは落ち着きねえから、雪とか積もってるとすぐ転びそうだし」

「もうっ! そうやって子供扱いする!!」

インデックスはポカポカと背中を叩いてくる。

こういったやり取りも、もう何度やったか分からない。
彼女の反応がいいからこそついつい言ってしまうという所もあり、上条も上条で子供っぽいとも言える。

「だいたい、落ち着きがないのはとうまの方なんだよ。いつもいつもふらふら〜ってどっか行って女の子と仲良くなってるし」

「それだとまるで俺がナンパ好きか何かみたいに聞こえるぞ……」

「よく分からないけど、似たようなものじゃないの?」

「全然ちげーよ! ナンパは命かけたりしねえ!」

「なるほど……じゃあ命がけで女の子を口説く事はなんて言うの?」

「待て、命はかけてるかもしんねえけど、口説くことが目的じゃねえ。そもそも何が目的とか意識した事もねえし……」

「じゃあ…………習性?」

「…………もうそれでいいです」

野生動物扱いみたいなものに何か反論の一つもしたいところだが、中々的確に突いているようにも思えて何とも虚しい。
すると背後でインデックスがくすくす笑っているのが聞こえる。

「分かってるよ、とうまはそういう人なんだって事くらい」

「俺だってインデックスの事は良く知ってるぞ。よく食う所とか機械音痴な所とか」

「むっ、こういう時くらい良い所言ってくれてもいいんじゃないかな」

「お前自分の事は棚に上げて……はぁ、でも人に好かれやすいっていう所あるよなインデックスは。
 風斬との事もそうだし、俺のクラスの奴等ともすぐに馴染んだし、御坂なんかは初めは仲悪そうだったけど、今はそうでもなさそうだしな」

「それはとうまも似たようなものなんじゃないかな。とうまがピンチの時なんかは、沢山の人が助けてくれるでしょ?」

「……あぁ、そうだな。それでもインデックスはなんつーか、守りたいって思いたくなるんだろうな。
 一緒にいると落ち着くし、そういうのはやっぱり俺とは違う所なんじゃねえのかな」

「うーん、私としては守られっぱなしっていうのも気が引けるんだよね。旅行でも言ったけどさ」

「助け合い、か」

「うんっ。これでも私、イギリスじゃとっても役に立ってるんだよ? 一度とうまに見せてあげたいんだよ」

「はは、なんか父親に発表会で良い所見せようとしてる娘みたいだぞ」

「むぅぅっ!! またとうまは私を子供扱いしてー!!!」

「いででででででででででで!!!!!」


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