過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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332: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/12(月) 04:52:05.64 ID:UzZKBwkmo
長い廊下を歩いていると、様々な使用人とすれ違う。
初日と同じく、様々な姿の淫魔が働いていた。
中には、隣国の淫魔と思しき種族もいる。
翼のサイズや、肌の色、そして幼すぎる外見で判別できた。

途中、中庭が見えた。
良く整えられた庭園に、勇者の姿をした銅像が建っている。
その正体に確信を得た今では、既に違和感は無い。

勇者「なぁ」

堕女神「はい」

勇者「……この国は、美しいな」

堕女神「…はい」

心から漏れ出すような言葉に、彼女は驚きもせず、同調でもなく、同意した。
傍から見ればその表情は変わらないが、勇者には、柔和な微笑を浮かべているように見えた。

時間を噛み締めながら歩いていくと、大食堂に辿り着く。
金糸を織り込んだ赤の絨毯が敷かれた豪華な内装が目を引く、大きく天井が高い部屋だ。
既にふわりと朝食の香りが立ち込め、鼻腔をくすぐり、胃袋を期待で既に満たされるかのようだ。


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