過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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562: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/17(土) 23:28:35.08 ID:0fXm8d2Co
勇者「さて。――次は、こちらの番だ!」

勇者を取り巻いていた火炎が、一瞬で消える。
強風に煽られたように、刺すほど冷たい空気が勇者を中心に広がり、魔力の炎を打ち消した。
波動は魔王へも届き、その冷たさに身じろぎを示す。

魔王「これは……」

感じたのは、自らを守る防御壁が凍らされ、砕かれた魔力の揺れ。
生み出された波動は炎を打ち消し、魔王を守る魔力の障壁すらも打ち消してしまった。

勇者「………喰らえ」

開いた左手を突き出し、魔力を集中させる。
荒々しく高まった魔力が魔王の周囲へ集まり、パリパリと音を立て、火花が散る。
広間を支配した低温の波動によって乾燥した空気が擦れ合い、更に雷の種を増幅させる。


―――轟音。
広間が……否、魔王の城全体をも揺るがすほどの魔力の炸裂。

幾つも束なった雷が、魔王の肉体を重ね塗った。
半球状に魔王を包んだ帯電した空気が、内部の魔王へと強烈な雷撃を放ち、その威力は見た目通りだ。

雷撃の振動が高らかに響き、勇者の耳をすら一瞬痺れさせる。
勇者にのみ扱える雷光の呪文の中で、最も……”初等”の呪文。

彼が、最初期に覚えた呪文の一つだ。

それでも、この威力。
練磨を重ねるうちに、一条だけであった雷の本数は増え、今では――30の雷撃を同時に浴びせる事すら可能となった。


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