過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2011/12/18(日) 23:41:10.65 ID:iqMuIW78o
僧侶の詠唱が終わり、魔力が解き放たれた。
真空の刃を無数に生み出す呪文。
彼女が唱えられる中で、最も高威力なものだ。
見えない刃が魔王の体躯を撫で、いくつもの切創を生み出す。
多くが漆黒の体液が僅かに滲む程度で、ぱっくりと開く傷が二つか三つ。
ダメージは、与えられている。
だが、それ以上に魔王の生命力が、高すぎるのだ。
真空の刃に付随した強風が、ほんの一瞬のみ、魔王の体を押しとどめて動きを止めた。
その一瞬は、『戦士』にとっては『永遠』と同義だった。
本来なら、疾風の如き剣技で気を引き、勇者に魔法使いを救出させる時間を稼ぐはずだった。
ダメージを期待してではなく、単なる繋ぎとして。
だが今なら、当てられる。
魔神の如き威力を生み出す、渾身の斬撃。
避けられれば死ぬしかない、命ごと浴びせる文字通り”必殺”の技を。
裂帛の気迫が、戦士を覆う。。
剣が重くなり、同時に体が軽く感じる。
超圧縮された闘気が全身へ漲り、全身の血液が沸騰しそうなほどに熱く滾る。
全身に鈍色に輝く地獄の鎧を纏い、手にした剣が重力の塊へ化けたように思えた。
剣先が届く寸前、魔王の胸中にある言葉が去来した。
―――『魔神』と。
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