過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
1- 20
622: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/18(日) 23:43:06.87 ID:iqMuIW78o
会心の斬撃が、魔王の左腕に食い込む。
二本の左腕が、まるで呆気なく根元から両断され、宙を舞った。
主を失った腕は空中で黒煙と化して蒸発する。

戦士はその勢いのまま、僧侶の眼前に滑り込む。
満身創痍の有様で、盾も兜も、使い物にはならない。
僧侶はすぐに、回復の呪文を唱える。

勇者は、間隙を逃がさず倒れた魔法使いの下へ駆ける。
さしもの魔王も腕を失えば、その痛みは抑えられないようだ。
絶叫が広間に響き渡る、その間に――無茶苦茶に振り回される右腕の間を縫い、辿り着いた。

勇者「おい、魔法使い!…しっかりしろ!」

反応は、返ってこない。
死んではいないが、すぐには意識は戻りそうに無い。

勇者「……くそっ!」

意を決し、左肩に彼女を担いで、僧侶のもとへ走る。
動かしてよい状態かは分からないが、治せるのは僧侶だけだ。
勇者の肉体には、彼女の体は軽く感じる。
こんなにも細くか弱い体に、魔王の豪腕が襲い掛かったのだ。
死んでいないのが奇跡としか思えなかった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/289.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice