過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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625: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/18(日) 23:50:00.10 ID:iqMuIW78o
魔王の嘶きが聞こえた。
左腕に加え、脇腹の深手。

いける。
心の中でそう呟き、左手側に離脱して、反転して身を縮める。
今なら、更にもう一太刀加えられる。

小人めいた計算の下、勇者はその場から真上に飛ぶ。
自由落下の勢いのまま、直上から兜割りに斬りつける算段。
狙いは、頭。

その時、痛みに狂乱していたはずの魔王が、突如真上の、勇者を見た。

勇者「なっ……!?」

魔王「……『魔王』ヲ侮ルナ」

がちゃがちゃと牙を打ち鳴らしながら、魔王はぐるりと半回転する。
空中で無防備となった勇者の左側から、巨木のような尻尾が襲って来た。


僧侶は戦士の回復を終えて、魔法使いへと回復呪文を唱えていた。
―――酷い。
肋骨が四本。内臓をひどく傷めて、脊椎にもダメージがある。
頭を含めた全身を強く打っているため、戦闘中に意識が戻るかどうかも怪しい。
最上級の回復呪文を唱えて、細胞を活性化させて傷を塞ぐ。
僧侶の魔力が彼女の細胞へ溶け込み、エネルギーと化して超高速で新陳代謝を促進していく。
代償として、僧侶は魔力ががくんと削られていく、激しい疲労感と倦怠感を覚える。
使いつけない攻撃呪文に加え、回復呪文の連唱。
魔力が、底をついてしまいそうだ。


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