過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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723: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/21(水) 00:04:06.68 ID:nfQOajV2o
勇者「俺も……帰りたいよ。故郷の父さんと母さんに会いたい。妹の成長も見届けたい。
   でもさ。……そうすると、もう逃れられない。再開された隣国との戦争に、参じなければならないんだ」

たとえ王都に近寄らなくとも、故郷に帰ってしまえば噂が立つ。
そして、その噂を聞きつけ……後は、お決まりだ。
帰る事は、許されない。
帰ったら、不可避の戦争が待っている。

戦士「戦争が再開されるなんて限らないだろう!!……何故、そこまで悲観する!」

勇者「隣国を訪れた時、俺と僧侶は『あっちの国』の人間というだけで蔑まれた。……『勇者』がだぞ?
   魔王が現れても小競り合いは起こしていたし、既に情報戦も展開されてる」

戦士「クッ……あいつら……!」

勇者「…頼むから。もう、行ってくれ。……『僧侶』は人を癒し、正しい道へ導く役目がある。
   『戦士』、は仲間を守り、正しき事のために剣を振るう事ができる」

ゆっくり、勇者が後ろへ下がる。
繰り返された揺れが段々大きくなり、その間隔も狭まってきた。
―――そろそろ、本命が来る。

勇者「……なぁ、『魔法使い』。お前の呪文は、人々をまだ救える。弱い人達を、守ってやってくれ」

魔法使い「わかった……わかったから……お願い……」

勇者「………俺は、一緒に行けない。『勇者』の役目は、これで終わりなんだ。……みんな」

言葉を続ける前に、人間大の瓦礫が勇者と仲間達の間へ、幕を下ろすように降り注ぐ。


勇者「『いのちをだいじに』」

最後の、『作戦』が聞こえた。


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