148:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga sage]
2011/12/23(金) 12:47:13.41 ID:AwPsdz+c0
こんな冷たい声、私の口から出てるのかって思った時に、あかりの足が止まってた。
でもまだ手は握られたままで、何も言わずにただ立ち止っていた。
あかり「あかり、京子ちゃんに何かしちゃった……のかな?」
迷ってるみたいにそう言葉を漏らしていた。
そう思うってことは、あかりは私に何かしてしまったっていう自覚があるってことなのか?
そう聞くのもありだと思う。そう聞けばあかりは謝ってくると思うし、それで私もよくわからないけどその謝罪を受け取ればいい。
だから。
「いや、ちょっと、今日は体調がね……。ほら、部室で寝てたから風邪ひいたかもしれないからさ」
そんな言葉であかりへの質問を濁して、もう一回歩き始める。
繋がれていた手が離れそうになったけど、私は手に力を入れないで、あかりは手に力を入れてそれを維持した。
少しだけ、作るような笑顔を見せながら後を追いかけてくる。
あかりの家に着いて、やっと離れた手。
あかり「それじゃ、また明日学校でね」
京子「うん、また明日」
あかり「うん、風邪引かないように気をつけてね」
そうして扉が閉まって、一人残された。別に気にすることでもなんでもない、ここからは結衣がいなければいつも一人で帰っていたのだから。
思いのほか、一人になったときのほうが気が楽だった。
二人から握られた手はとても暖かくなっていたけど、すぐに外の寒さに冷たくなり始めたからポケットに突っ込んだ。
突っ込んでも、なんだか暖かさは無くなって行くのを感じながら、家に着いた頃には体中が暖房を求めていた。
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