276:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/05/09(水) 14:38:03.87 ID:nE7q8kWc0
―綾乃―
歳納京子が私の前からいなくなって、どれくらいの時間が経ったのかな?
夕日はもう完全に沈みかけてる頃、手に握った携帯電話はある人に電話をするために使ったものだ。
相手はいつも通りに出てくれて、今から公園に来てほしいって言ったら、すぐに来てくれるって言ってくれた。
自然と涙は出そうにもなかった。歳納京子がいなくなったからかもしれないけど、なんだか胸の痛みは少しなくなった。
綾乃「って、思ってるだけなんだろうな〜」
言葉を漏らすように呟いて、あたしはふと公園の入り口を見る。
この感じ、あたしは知っているから。
入口に立っている一つの影、その影があたしを見つけたようでのんびりと手を振っている。
だから、あたしも手を振り返す。
気付いてるよ〜って意味を込めて。
千歳「綾乃ちゃん、どうしたん?」
分かってるくせに、千歳はそう聞いてくる。
まったくと言っていいくらい、千歳には色々筒抜けなんだなって思いながら、ベンチに座ってこちらを見てくる。
眼鏡の下にあるのはいつもの千歳の顔で、ああ、やばいって思った。
千歳「夕日がきれいやね」
綾乃「う……うん」
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