695:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/12(木) 21:50:13.49 ID:X+RsRxlyo
あいつは少しだけ妹ちゃんをじっと見つめたけどすぐにあたしに手を廻してあたしを抱きしめた。
「妹ごめん」
あいつはらしくなく震える声で神妙に言った。
「ごめんな、俺やっと自分の気持ちに気づいた。俺、委員長のことが好きだ」
「・・・・・・うれしい」
あたしはかすれた声をようやく口にした。あたしはついに長い片想いを解消し想いを遂げたのだ。だけど、感傷に浸っている時間はなかった。
あたしはすぐに言葉を継いだ。
「ごめんね、妹ちゃん。今日はこんなこと言うつもりで来たんじゃなかったのに」
涙というものは感情が高ぶれば勝手に出てくるものだとあたしは知った。あたしは今本気で泣いていた。
「いいよ、許してあげる。二人とも」
「妹、本当に悪い」
泣きそうな声であいつが言った。
「先輩、これまでありがとう」
妹ちゃんは静かに微笑んだ。
「じゃあ、あたしは帰るね。お幸せに」
妹ちゃんは席を立った。
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