947:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/25(水) 22:41:17.03 ID:WrmlNkbKo
それからずっとお兄ちゃんはトイレから出てこなかったので心配になったあたしはお兄ちゃんに声をかけた。
「お兄ちゃん、本当に大丈夫?」
トイレを流す音がして、お兄ちゃんがよろよろとトイレから出てきた。
「吐いたらすっきりしたよ。悪かったな」
「でも、顔青いよ」
お兄ちゃんの顔はまだ真っ青だった。
「今日は大学休むよ。寝てればすぐ治るから」
あたしが一緒にいてあげると言おうとした矢先にお兄ちゃんが言った。
「・・・・・・二日酔って別に病気じゃねえから、看病とかいらねえぞ?」
「お母さんから言われてるし」
この人と一緒にいたい。あたしは強くそう思った。
「え? とにかく二人でトイレの前にいるのも変だろ。俺はもう寝るから、おまえ学校行けよ」
「あたしも今日休む」
「何で。俺病気じゃねえぞ」
「・・・・・・休む」
もう理屈ではない。あたしはただ繰り返した。自分の想いがお兄ちゃんに届けばいいのにと思いながら。
「だからどうして」
お兄ちゃんは腑に落ちないようだった。
その時あたしは昨日言わなければいけなかったことを、昨日言おうと思っていたけどあの出来事のせいで言えなかったこと思い出した。
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