983:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/28(土) 21:33:57.09 ID:OgGbePyto
「・・・・・・本当? あたし、ああいうの初めてで」
お兄ちゃんはあの時あたしが抑えきれずに声を出してしまったことをあまり気にしていないようだった。
あたしは急に気が楽になった。
お兄ちゃんに嫌われていなかった。変な女の子だとも思われていなかったのだ。
「雑誌とかテレビとか友だちとの話とかでわかるだろ? 普通」
お兄ちゃんは何だか飽きれたように言った。
「でも、彼氏に同じことされかかったけど、全然お兄ちゃんにされた時みたいな感じしなくて」
「・・・・・・おまえの彼氏とのことはいいよ、この際」
彼氏のことを持ち出したのは失敗だった。お兄ちゃんの声が少し険しくなった。
「ごめん」
あたしはすぐにお兄ちゃんに謝った。もうお兄ちゃんには嫌われたくなかった。
「だから謝るなって。で?」
「うん」
「ずいぶん帰るの早かったけど。後夜祭とかあったんだろ」
「うん。彼とフォークダンス踊った」
お兄ちゃんに嘘は言えない。あたしは正直に話した。
「そう」
「その後みんなで遊びに行こうって話になったんだけど」
「おう。それで?」
「今日は帰るからって言って帰ってきた」
「・・・・・・そう」
そしてあたしはここで今日は絶対に言わなくてはいけないことを口にした。
「あたし、今日はここで寝るから」
「・・・・・・はぁ?」
「明日からお母さんたち帰ってきちゃうし、もうお兄ちゃんと一緒に眠れなくなるし」
「あのさあ」
「うん」
「前から聞こうと思ってたんだけど」
「うん」
「お、おまえさ。その、俺のこと好きなの?」
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