過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
↓
1-
覧
板
20
113
:
◆sk/InHcLP.
[saga sage]
2012/01/21(土) 20:08:26.72 ID:yEPWimwz0
だが、そんなことを言う資格が無いのは土御門元春も同じだ。いや、実際は彼ら以上にインデックスについて語る資格などないのが彼だ。
魔道書を一〇万三〇〇〇冊記憶しているインデックスは、既に脳の記憶領域の85%を使用している。要するに、残りは15%しかない。
しかも、彼女はなまじ完全記憶能力を持っているため、一度覚えたことを忘れることが出来ない。人間は忘れることで脳内を整理する。
それが出来ない彼女はどんなゴミ記憶でも忘れて脳を整理できないので、残りの15%も一年で全て使い切り、彼女の脳を圧迫する。
だから、彼女が脳の容量を使い切りショートする前に、その一年間の記憶である15%を消去しなければならない……という嘘。
土御門元春は、インデックスが禁書目録になった時点でこの嘘を見抜いていた。それを、彼は四年も黙認しながら生きてきた。
(始めは、証拠はあっても解決法が無かった。ルーンの専門家ですら何一つ分からなかったんだ。オレに解決できるはずもない)
土御門は、元々陰陽博士だった。だが、少女に刻まれた烙印はルーン系、もしかするとまた別系統の文字。彼の専門外だった。
なので、始めはステイルたちと同じくインデックスのことを諦めていた。真実を知ったからこそ、彼にはより手が出しずらかった。
禁書目録の重要性を考えれば、彼女の『定期健診』と『防衛体制』は必要だ。上もそう判断しているし、土御門だってそう思っている。
だからこそ、諦めるしかなかった。工作員・諜報員として長らく世界のバランスを陰で支えてきた身として、リスクは冒せなかった。
しかし、この街に来てから事情が一気に変化した。あの人間に縛りを強要されながらも、与えられた一筋の光明。それが上条当麻だった。
「……さて。ではそろそろいいかな? もうあの日までそう時間が無いものでね。さっさと本国へ連れて帰りたいんだけど?」
「つーか、オレのところに来た時点で任務終了だろうが」
「そうでもないさ。確かに君は僕達と同じ組織の魔術師ではあるけど、任務が違う。僕は回収、君はサポート。それだけさ」
長身で赤髪の魔術師は淡々と、しかし少し急かすように土御門に予定と事実を告げてくる。同じ仲間ならばそう焦る必要もないはずなのに。
発言の真意としてはインデックスの傷の状態が芳しくないこともあるだろうが、根底にあるのは土御門を信用していないことなのだろう。
土御門はスパイだ。しかしその職業柄、彼らはあまり信用がない。直属の上司も常に裏切りの可能性を考えながら指示しているほどだ。
ましてや、ステイルのような末端要員が敵地で情報戦をしている者を完全に信用するはずがない。ある程度信用し、自分で確認を取る。
それが、現場で仕事をこなす人間が五体満足で生き残るために行う常識だ。だから、上司や仲間に疑われるのも彼としてはもう慣れっこだ。
だが、
「――――同じ、組織の魔術師?」
何もかもを忘れてしまった人間に、疑惑と失望の視線を向けられたのは初めての経験だった。
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
219Res/247.71 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1323270319/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice